2010年8月29日日曜日

農夫になる日 -1 土を耕して堆肥を作る


先週末から農地を借りて、地道に土を耕している。
今年の四月に地元の区民農園に応募してみけれど、倍率が高かったのか落選した。
それ以来、いつかまた始めよう始めようと思いながら半年近く経ってしまったので、運動不足の解消も兼ねてそろそろ始めようと思い立っていろいろ調べるうちにマイファームという貸し農園を見つけた。
農園のポリシーとしては
  1. 化成肥料は使わずに有機肥料のみ。
  2. 最低1年間は続けてみようという契約。
  3. 農具と肥料は用意してあり、週に二、三回は管理人の方が農業指導をしてくださる。
区民農園は基本的に格安で1年間農地を借りることができるが、不特定多数の人が使うので、土の質が心配だ。
その点マイファームでは有機肥料のみ使用可という制限を設ける事で、ある程度は土の質が保証されている。
始めはもちろん自分の農地の土を自分で作っていかなければならないけれど、週数回、農業指導員によるアドバイスも受けられるので初心者には取り組みやすいかもしれない。

それまで農業は未経験ではないにしても、積極的にやってみたことはなかった。
一応家のベランダでいろいろやってみたけれど、ほとんど失敗してしまった。

■ベランダ栽培歴 4ヶ月
  • ミニトマト:皮が厚く、すっぱくて食べるに値しなかった。もっとおいしくする方法があるのだろう。
  • ミント各種:おいしいミントティーを飲む為に作ったが、アブラムシにやられた。
  • ホーレンソウ:葉がならずに茎だけ以上に伸びてしまい、枯れてしまった。
  • モロヘイヤ:同上
  • サツマイモ:植え込んだ後に徐々に膨らんで行く栽培袋を眺めて、スイートポテトでも作ってやろうと想像を膨らませていたが、掘り出してみたら根っこだけであった。
  • ゴーヤ:いくつかできたが、いつも収穫がおくれ、会社から帰って来たら黄色くなっていた、もしくは実がはじけていた。収穫した唯一のものでゴーヤチャンプルーを作ってみるも、知人に「あ、ごめん、これゴーヤチャンプルだったの?お肉の方が多かったので肉炒めかと思った」と言われショックを受ける。
  • パセリ:いくつかできたが、いつも収穫がおくれ、会社から帰って来たら…以下略。

これからは食物も含めていろいろなものが値上がりしていくという不安がある。
とくに都会では顕著だけど、お金をださないと物の質は保証されなくなっていって、生活の質の悪化はまず確実に食料に現れる。
一人暮らしを始めた時期に、スーパーの野菜の値段と質がかなり上下することに驚き、それまで母親の作ってくれたご飯の栄養バランスを思い出してしみじみ感謝してしまった経験のある方もおられるでしょう。
とりあえず今の半分くらいは自産自消できるくらいの正確な農業技術を知りたいなあということで、住んでいる場所からはちょっと遠かったけれど契約することにした。



農園風景。
全部で90区画あり、ひと区画あたりだいたい15㎡。
もとは水田であり、10年近く放置されていた場所だった。
マイファームがこうした耕作放棄地を地主から借受け、農園として貸し出している。

借りた区画。
農具置き場兼休憩小屋と簡易トイレのすぐ近くにある。
水道から近いので、水やりも他の区画と比べて楽である。
写真は、耕した後に堆肥の山を作ったところである。
まずはすべての基礎となる土作りからやらなければならない。

草取りをし、スコップで土を掘り返してから肥料と土を土に混ぜ込んで堆肥の山を作る。
この猛暑でただでさえ固い元水田の土がカチカチに固まっていて、スコップを跳ね返してしまう。
区画全部の草取りと耕起が終わっても、土の粒が大きく、スコップと鍬で少しずつ細かく砕いて行かねばならない。









管理人のIさんに教わった堆肥の山の作り方は以下。
  1. よく耕した土と、堆肥、腐葉土、鶏糞、若干多めの米ぬかを混ぜて山を作り、水分を加えます。(土をぎゅっと握って手を開いたら、少しの後にほろっと崩れる程度の水分量)。
  2. 水分保持の為に丈夫なビニール袋(100円ショップなどで売られているブルーシートなどをご用意されるとよいかと思います)を被せて、風でとばされないように土などでまわりと押さえます。
  3. 1週間毎に水分調整をしつつ、切り返します。
  4. 3週間後、よく発酵した自家製堆肥の完成。
肥料は全部で以下を使った。
  • 牛糞堆肥 × 3
  • 腐植土 × 2
  • 米ぬか × 0.9
  • 鶏糞 × 0.2
水分に関して。
土が粘度質であるせいか、表面からかけただけでは中までしみ込まないないので、堆肥の山のてっぺんを火山のカルデラのように崩し、そこにバケツの水を入れ、徐々にかき混ぜながらもう一度山を作るようにした。
その後に素早くビニールの透明マルチをかぶせて、ひとまず完了。

畑の土。
結構粘って砕き続けたおかげか、かなり細かくなった。
水を加えてしばらくすると、かなりフカフカの土になる。

農具置き場兼休憩小屋。
農業に必要な一通りのものは置いてあるので、畑に行く時は着替えのみでよい。
草木に囲まれているのにあまり蚊がいないのが不思議だった。

とりあえずの目標は、冬の鍋に入れるものを作る事かな。
これから1年間、体力と気力が続くまで頑張ってみようと思います。