2010年1月23日土曜日

電子回路の基礎 -2 回路の法則 -1


当投稿は、東北学院大学工学部 機械知能工学科講義「メカトロニクスIおよびII」の『電子回路の基礎』項目を参考にさせて頂きました。一見難しい記号や式が並んでいるように見えますが、よく読めば大変わかりやすく書いてあります。


電子回路ではおもに電圧電流を扱います。電圧(V -ボルト)というのは電気の流れる圧力、電流(A -アンペア)というのは電気の量です。リンク先にも記述があるのですが、電子回路は水の流れに例えると理解しやすいと思います。


オームの法則
電子回路の基礎法則です。電圧と電流と抵抗は以下の関係が成り立ちます。

E = IR [ 電圧(E) = 電流(I) × 抵抗(R) ]
I = E / R [ 電流(I) = 電圧(E) / 抵抗(R) ]
R = E / I [ 抵抗(R) = 電圧(E) / 電流(I) ]

水の圧力(電圧)
水の量(電流)
パイプの太さ(抵抗)

と例えると、

同じ水量(電流)の場合、パイプの太さを細くする(抵抗値を上げる)と水圧(電圧)が上がります。
同じパイプの太さ(抵抗)の場合、水圧(電圧)を上げると水量(電流)が増えます。
電子回路の場合、回路上の全ての点で「電位」という値が定義されます。この電位は、その回路に使う電子部品や抵抗、センサなどによって各点で異なる値を示します。ある回路上の二点の電位差が電圧として定義されます。

図1

図1の場合、電源は5V、250Ωの抵抗を使っているので、回路に流れる電流は
I(?) = E(5V) / R(250Ω)
0.020 = 5 / 250
つまり、0.02A(20mA)です。
抵抗Rの両端のA点とB点の電位差(電圧)は5Vとなります。


キルヒホッフの第一法則
ある回路において、入ってくる電流と出て行く電流の和は等しくなります。当たり前のことのようですが、これが後述する法則の基礎として重要な役割を果たします。

I1 + I2 = I3 + I4

図2

図2において、電流I1 + 電流I2 = 電流I3 + 電流I4 が成立します。


キルヒホッフの第二法則
ある回路において、電圧は一周したら0になる、という法則です。

E - I1R1 - I2R2 - I3R3 = 0

図3

図3は、E-A-B-C-D と輪になっている回路を、ある回路の一部から取り出したものとします。点A・点B・点C・点Dの先はもとの回路とつながっています。こうしないと、後述する合成抵抗の法則により、電流I1I2I3がすべて同じ値になってしまうからですが、とりあえずあまり気にしないものとします。

まず、A点の電圧(D点を基準とした電位差)は5Vです。

次に、抵抗R1にかかる電圧(B点を基準とした電位差)は、オームの法則によりI1R1となります。
つまり、B点の電圧(D点を基準とした電位差)は、E - I1R1 となります。

次に、抵抗R2にかかる電圧(C点を基準とした電位差)は、オームの法則によりI2R2となります。
つまり、C点の電圧(D点を基準とした電位差)は、E - I1R1 - I2R2 となります。

次に、抵抗R3にかかる電圧(D点を基準とした電位差)は、オームの法則によりI3R3となります。
つまり、D点の電圧(D点を基準とした電位差)は、E - I1R1 - I2R2 - I3R3 となります。
D点を基準にD点の電圧をみると、0Vになっているはずです。

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