当投稿は、東北学院大学工学部 機械知能工学科講義「メカトロニクスIおよびII」の『電子回路の基礎』項目を参考にさせて頂きました。一見難しい記号や式が並んでいるように見えますが、よく読めば大変わかりやすく書いてあります。 |
Arduinoが感知できる範囲内に電圧と電流を整える為には、いくつもの電子部品を使う必要があります。その中の一つに抵抗器があります。回路の法則-1 で扱ったように抵抗は電気の流れをおさえる役目を持っており、その電気抵抗の単位は「オーム(Ω)」で表されます。 通常、電子工作においては、センサをとりあえず一つだけ使ってみるといった簡単な実験でもない限り、一つの回路内に抵抗器一つだけということはありません。「入力」->「処理」->「出力」の流れの中で、複数の抵抗を使って想定の電圧を調整していくのが普通です。二つ以上の抵抗を使った場合の電圧と電流の関係を求めるには以下の法則を使います。 『合成抵抗』
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キルヒホッフの第ニ法則で考えてみます。 E = IR1 + IR2 E = I(R1 + R2) E = IR つまり、 R = R1 + R2 抵抗の直列つなぎは、その抵抗値の和に等しいことになります。 |
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この場合、抵抗R1とR2の両端には、等しく電圧E(5V)がかかります。 オームの法則により、 I1 = (E / R1) I2 = (E / R2) 全体としては I = (E / R) キルヒホッフの第一法則により、 I = I1 + I2 だから、 (E / R) = (E / R1) + (E / R2) (1 / R) = (1 / R1) + (1 / R2) (1 / R) = (R1 + R2) / (R1 × R2) よって、 R = (R1 × R2) / (R1 + R2) 『分圧回路』 |
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電圧を分ける回路です。電圧はA点において、もとの電圧(5V)より低い3V(マイナス電源を基準とする)となります。この3Vという値は、二つの抵抗R1とR2の値の比率によって決まります。例えば、抵抗R1とR2の比が 2 : 3 の時、5Vの3/(2+3)で3Vです。 なんとなく感覚でもわかるでしょうが、あえて法則化してみると、 オームの法則により、 E = IR1 + IR2 E2 = IR2 これを解くと、 E2 = (R2 / (R1 + R2)) × E となります。 この分圧回路は、オペアンプという電子部品を使ってArduinoのアナログ入力端子にセンサからの値を適切な範囲内に整えて入力させる回路を作る時に重要な役割を果たします。 オペアンプは、センサによって変化する電圧の振り幅を一定の範囲(Arduinoの感知する0V〜5V)に整える時に使います。例えば、光センサの出力する電圧の範囲が0V〜1Vであるのを、0V〜5Vに変えてやると、Arduinoのアナログ入力値幅1024段階をフルに使えるようになります。つまり振り幅を5倍にするわけですが、この倍率を決める時に分圧回路が役にたつわけです。 |
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